「ウソをつく化粧品」

出版社:フォレスト出版
著者 :小澤貴子
「誰も知らない人気コスメの裏側」シリーズ

化粧品に入っている成分の毒性について調べた「化粧品毒性判定事典」の著者の娘さんが、化粧品に使われている合成界面活性剤やポリマー、石けん、オーガニック化粧品などについて書いた本。これを読むと、市販の化粧品をなかなか使えなくなりそうです・・・
スピカの樹の書庫に:無し(図書館で借りました)

 

引用


気になった部分を引用します。

 

2001年の薬事法改正に関して。

化粧品と薬用化粧品の違いは、「有効成分」が入っているか、いないか。有効成分は、厚生労働大臣によって、効能や効果が認められたものですが、有効成分が1種類、少量でも配合されていれば、薬用化粧品として認められ、表示指定成分以外のすべての成分を表示せずに販売できてしまう。
(p.47)

 

肌はバリア機能であって、吸収する器官ではありません。肌から栄養を摂るなんてことはありえないのです。
(p.54)

 

実は、皮膚の「角質層」という壁づくりにとって、「酸化」は欠かせないものです。むしろ、肌は酸化することで丈夫になっていくのです。
(中略)
もっといえば、古い角質を剥がすことを目的とした剥離性パックをしたり、かみそりで顔そりをしたりすることをおすすめします。
(pp.69-70)

 

化粧品にいろいろな植物エキスが多量に含まれている場合は、基本的には使わないでいただきたい。とくに、洗顔やメイク落としといった肌のバリア機能が弱まるときに使う化粧品は要注意です。
(p.77)

 

まず、肌は合成界面活性剤や水溶性ポリマーによって、皮脂が奪われます。さらにこれらは角質層内のバリア構造をつくっている油(角質細胞間脂質)を奪ったり、その秩序を乱します。こうやって皮膚のバリア機能が壊されていきます。そして、バリア機能が壊れたところから、水分を浸透させて皮膚を膨張させます。皮膚はバリア機能を壊さないと水が入りにくいことはお話しした通りです。一方、合成ポリマーは溶剤で溶けていたりしますが、溶剤が蒸発すれば、巨大な分子なので皮膚のなかには入れず、皮膚の表面に残ります。しばらくすると、薄い皮膜になります。この皮膜が、肌内部にたぷりと浸透させた水分を逃がさないように、肌にふたをするのです。するとどうなるでしょうか?
あら、不思議。皮膚は水分で膨らんで、シワが一時的に消えます。ハリがあるように見えます。合成ポリマーの皮膜で肌はツヤツヤになったように見えます。
(p.152)

 

欧米はもともと乾燥地帯です。私たちの想像以上に乾燥する季節があります。そのため保湿剤が化粧品の原料の主流。皮膚に水を吸わせようとして、合成界面活性剤を乱用しています。
(p.170)

 

まとめ


科学の進歩は大したもの。早く安く簡単に、私たちが求めるものを提供しようとメーカーも頑張っています。その結果が、「きれいに見えて機能が壊れた肌」を作っていくということでしょうか。アロマ教室としては見逃せない、植物毒に関しての記述もありました。今後もいろいろ調べながら注意をはらいながらお客様に対応していきたいと思います。

この本が勧めているケアは、「化粧品は油でできたコールドクリームで落とし、石けんで洗う。酸性の化粧水を使い、できるだけ自分の皮脂で覆う」ことと読み取りました。私は皮脂の分泌が活発なほうなので、この本を読んだ後、特に夏場の夜は化粧水の後何もつけずに過ごすようにしています。

肌の強さや個性など、市販の化粧品が与える影響をどう受けるかは個人差もあると思います。健康な肌でいたいのか、できるだけ隠せたらいいのか、人それぞれ求めるものは違いますし一概には言えませんが、今お肌で気になることがあるのならケアの方法を変えていくことも必要かもしれませんね。そんな方に、お勧めの本です。